カンボジア プノンペン旅行記(その3)

今回は、予告したとおりキリングフィールドという大量虐殺が行われた
処刑場の跡地のお話です。かなり強烈な写真と内容ですので、心してご覧ください。

カンボジアはご存じの通り、ポルポト派の支配によって800万人足らずの国で
200万とも、300万とも言われる人びとが1976年から4年間の間に
虐殺されたという歴史があります。

実は、未だこの全容はよく分からず。正確な犠牲者も分からず。
S21と言われる、ツールスレンという収容所と、キリングフィールドだけが
全容が分かっている様です。国内に数限りない、同じ様な施設はあったようです。
(ツールスレンは、後日行きましたのでまた書きます)

このキリングフィールドと呼ばれる場所は、今は慰霊塔などが建設され観光客が訪れます。
かつては、処刑されるとも知らない人びとが新しい収容所に移されると聞かされ
連れてこられ処刑されたそうです。

門をくぐって、入場料を支払い。
各言語で説明してくれる、機械とヘッドセットを受け取ります。

01

03

お金を払うと「どちらから来られましたか?」と聞かれますので、
答えると国の言語で説明してくれるセットを渡して貰えます。

02

04

歩いて行き、番号の書かれた看板がありますので・・・。
そこで、その番号を押すと母国語による説明を聞くとができます。
ちなみに、日本語説明はとてもネイティブで分かりやすく。
大変良い物でした。

05

機器には、首から掛けられるストラップがついていて手で持つ必要が無く。
至れり尽くせりという感じです。
団体様には、ガイドが付いて機械は渡されない様ですが(^^;
正直、ガイドは現地の方で怪しい日本語だったので機械の方が断然良いかと思いました。

施設は、慰霊塔を中心にして一周見て歩くという感じです。

06

最初に説明で言われるのが、通路なっている場所以外には絶対に入らないで下さい。
ということでした。

ここは、どこもかしこも遺体を埋めた穴だらけだったそうです。
無造作に穴を掘って、放り込んで埋めたという状況で・・・。
暑さで遺体が腐敗し、ガスが発生し。
我慢出来ない異臭と共に、地面が腐敗した所以で盛り上がり。
そこを掘ると、数え切れない遺骨がでてきたそうです。

人が歩ける様に、整備し。通路になっている所は、遺骨は集めたそうですが。
他の場所には、未だ亡くなった方々の遺骨や、着ていた衣類など。
色々な物が埋まっているそうです。

雨期には、無数の骨片が通路脇に見られるそうです。
我が家が行った時は、乾期で土が乾き。上に落ち葉などが被り分かりませんでしたが。
雨期に行かれた方の写真を事前に見て、ゾッとしたのを覚えて居ます。

未だ道になっている場所にも、雨が降ったりして犠牲者の衣類や、骨などが出てくるそうでして。
「もし、そういう物を見つけたら拾い上げず、踏まない様に見学してください」
という、説明もあります。数ヶ月に1度、係員が拾い集めているそうです。

実際、私も足元を見ずに歩いていたところ。
土から顔を出した衣類に躓きました。
そういう場所なのです。

19

慰霊塔には、ここで見つかった遺骨が納骨されています。

08

書かれた通りに進むと、それぞれの場所で立ち止まって説明を聞くことになります。
皆さん、とても暑いので木陰でそれぞれに色々な思いを抱えて聞いている状況が見られます。

空を仰ぐ人、目頭を押さえる人。下を向いて、動かない人。

07

09

17

聞けば聞くほど、悲惨さが分かってきます。
看板はありますが、英語が苦手な日本人には厳しいかもです。

10

11

12

ここでの殺戮は、あまりに人数が多かったために
日常で使われる物で処刑をしていたそうです。

33

34

30

29

手足は縛られたままだったのでは無いでしょうか。

32

31

銃弾は高くてもったいなかったというのです。

普段農機具に使っていた物やら。
農薬を食べ物に混ぜて、動けなくなった人びとを穴に落とし。
上からも農薬を掛け。生きたまま埋める等。

また、赤ん坊は足を持ち。
大きな木に、頭を叩きつけて殺したそうです。(写真がその木です)

22

20

近くに住んでいた方々は、なぜ木に脳や血などが付着しているのか不思議に
思ったという話しもあるそうです。
慰霊だと思いますが、色々な物が備えられています。

21

赤ん坊まで殺すのは、大人になって親の仇討ちをと思わない為なのだとか。
あまりの酷さに、絶句でした。

1番、衝撃的だったのは・・・この木。

13

黒い葉の部分に、ギザギザが付いているのが見えますか。
この部分、地元ではニワトリを殺す時に首を切る為に使うのだそうです。
かなり鋭利で、良く切れるとか。

このキリングフィールドでは、人間の首を切り裂いて殺害に使っていたそうです。
想像するだけで、背筋が寒くなりました。

見て歩いている通路の左右にある沢山の穴は、遺骨を掘り出した穴。
屋根のある囲いは、特に沢山の遺骨が見つかった場所なのだそうです。

14

15

16

細かい骨や、衣類は別に集めて置かれています。
慰霊塔には、比較的大きい骨が納められているそうです。

23

18

不思議に思ったのが、これだけの人を殺したのになぜ近所が不思議に思わなかったのか。
ということ。
殺された方は、知識層で違う場所から輸送されてきた人びとだったというのに。
と、思って見て歩いていたところ・・・。
最後に、説明があったのがこの大きな菩提樹。

24

ここにスピーカーを吊る下げて、大音量で明るい音楽を流していたそうです。
連行されてきた方も、長閑な場所で明るい音楽が聞こえ。
まさか、ここで自分が殺害されるとは思わなかったでしょうというのです。

本当に・・・言葉になりません。

最後に、慰霊塔に入って手を合わせて戻って来ました。

25

26

27

35

28

亡くなられた沢山の人びとに、魂の平穏が訪れる様に祈らざる得ませんでした。

以上、キリングフィールドのレポートでした。
明日は、この次ぎに言った市場。セントラルマーケットをおつたえしますね。

)

カテゴリー: 旅行, 管理人の日常 パーマリンク

カンボジア プノンペン旅行記(その3) への6件のフィードバック

  1. kei のコメント:

    本当に、、人間はどこまで残酷になれるのでしょうか・・・

    今の北朝鮮が同じようなことをやっていますよね
    今現在も苦しみの真っ只中にいる人たちのことを考えると
    辛いです。

    地球の平和を祈ります。

    • yuki のコメント:

      >keiさん
      コメントありがとうございます。

      人間は、普段は理性も知性もあり。残虐性は押さえられているものの。
      究極の状態になったときに、どうなるのか・・・色々と思う所があります。

      仰る通り、今現在も恐怖政治が敷かれ。残虐な現実の中で暮らしている国もある
      はずです。内戦状態の国も、有りますし。

      世界が平和になる為に、過去の苦しみを「繰り返さないで」と発信する。
      これは必要なのだろうな・・・と思いました。
      本当に平和を祈りたいですね。ありがとうございました。

  2. piyohiyori のコメント:

    こんにちは!
    本当に考えられない酷いことが行われていたのですね
    どうしてあんなことができたのでしょう、本当にわかりません

    今自分のいる幸せな環境に、感謝したいと思います
    人間の愛と善意と調和と信じて生きたいです

    • yuki のコメント:

      >piyohiyoriさん
      こんにちは!
      色々と丁寧に見て歩くと、殺戮に加わっていた兵士の事情も聞くことが出来ましたし。
      全く虐殺とは無関係な世界で暮らしていた、学歴とは無関係な層が居た事も
      知る事が出来ました。なぜ、こういう虐殺に走ったのか。
      何をポルポトは恐れていたのか、何となく分かった気がします。

      ツールスレンの方で、もう少し詳しく書けたらと思います。

      本当に、平和な今に暮らせる事を感謝したいと思っています。

  3. bestguy のコメント:

    キリングフィールドのような場所が観光地化されていると言うのはちょっとショックですね~
    平和ボケしている日本人には考えられないような場所だと思います。

    日本人に生まれたことを感謝しなくては・・・

    • yuki のコメント:

      >bestguyさん
      こんにちは。
      う~ん、観光地というと・・・かなり違う気もします。
      実際、ツアーなどではキリングフィールドに行く人は希みたいです。
      組み込まれていないみたいですね。

      原爆資料館みたいな感じかと思いましたが、生々しさは比になりませんでした。
      ただ、オブラートに包む方が想像がたくましくなってしまう私には。
      原爆資料館より、ずっと衝撃が少なかったです。ありのままを見せる事。
      それが、平和に繋がると私は思いましたね。

      本当に日本人に産まれて良かった、と海外旅行に行くたびに思います。
      ありがとうございました。

yuki へ返信する コメントをキャンセル

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA